価値

芸術的なものに触れる機会がちょこちょこあって、その都度思う。
思わなきゃいけない。
価値ってなんだ。
世の中に決められている値段を出して買うものもそうなんだけど。
芸術って、価値って難しい。

まだスーパーとかで決められた値段を出して買うのはまだいい。
そこには責任も意思も薄れているから。
それでも、本当に必要かって自問自答をしなきゃならん。

芸術はもっと複雑で、これにはこういう価値があるんです、あなたのお部屋に似合うと思うんです、お一ついかがですかって言われた日にゃ、もういらない。ちっとも欲しくない。
価値は自分で決める。
自分が価値があると思えば、それはどんだけ金を積もうが欲しいものとなる。
芸術は人の手で創られるものであるから、人の意見や価値観が含まれてしまう。
わかってるんだけど、作り手の想いが欲しいと欲しくないの選択にまで入り込んでくるから、わからなくなる。

俺は音楽を創る。料理を作る。こうやって文章も描く。絵もほんとたまに描く。
自分で創るものを知って欲しいし、伝えたい。
なんでわかってくんないんだよって初歩的な想いももちろんある。
その想いがたまに強過ぎて、ダメになる。
周りの芸術家たちは似たようなもんで、そんな想いがあるからこそ今日もどこかで、その想いとともに何かを創っているんだろう。

俺ら、芸術家がやはり気にしなければならないこと。
それは相手のことだろう。
人に伝えたい、届けたいという想いを大事にしなければいけない。
独りよがりで押し付けがましい作品は、やはり気に入らない。
価値と繋がってしまう。
人の選択にまで想いが通ってしまっては駄作も同然。

また評価する方ももう少しだけ作り手に気を遣うべきだとも思う。
どんだけの想いで作品を創ったかということ知らないことを、今一度知ろうとしなければならない。知るつもりがないのなら、何も言ってはいけない、触れてはいけない。
つい最近、人の創ったものを間違って評価してしまった。
とても恥ずべきことだと思った。
何様なんだよって思った。
自分はそんなことできないのに。
とてもきれいな作品だった。
何か言わなくてはと思ってしまった。
自分は、きれいなんだけどきれい過ぎるんだよな。
と、言ってしまった。
そして、全文を誤摩化すように、もう少し陰りがあったら、俺は好きだな。
とも付け加えた。

言えなかった言葉は言い訳にしかならない。
本当はこう言いたかったはず。
俺には到底出来ないし、うらやましい能力だ。
とてもきれいで俺には表現ができない。そして、あなたが表現したいものが、俺は情けないけど受け止めきれない。
だから作品としての価値を俺が決めるのは、申し訳ないけど、できないんだ。
って。

世の中にネットという文化が根付き始めてから、価値の仕組みが崩壊しているように思う。
ネットが決める価値。
普及するタイミングでは、なぜ直接買うより、ネットの方が安いんだって思ってた。
今は人件費がかからないから、って当たり前の答えが出てくるけど、始めの内はまったく意味がわからなかった。
わざわざ予定を空けて、店へ行って、散々悩んで買わなかって、翌日買いに行くみたいな買い方より、なぜボタン1つで家にまで届けてくれる王様のような買い方で直接買うことより安いのか。
頭ではわかるよ、売る方は人件費は基より在庫を抱えなくて済む、管理しやすい、楽さが購入意欲をそそる、等などメリットばかりだ。
でも、そうじゃない。
価値が崩れている。
俺もネットで買い物をする。
理由は1つ。
安いから。
でもその安さだけではなく、価値まで崩壊しているのに気付く。
安いから仕方ない。
ネットだから仕方ない。
簡単だったから仕方ない。
疲れていたんだ仕方ない。
仕方ないだらけになってしまった。

自分で直接店に行って買ったものはそうはいかない。
ものを選んだり、買うのはそこに想いがあってこそ。
思い出とともにものはあるはず。
責任も付随するはず。

どうやら人間らしさを捨てさせるのが目的らしい。
売る方も買う方も。
売れればいい。
もうかればいい。
手に入ればいい。
面倒くさくなければいい。
価値なんか知ったことじゃない。

そして思う。
芸術や価値を。
今こそ芸術頑張れよ。
きっともう価値がヒィーバーすることはない。
そしてそれは価値がヒィーバーしてるってことじゃない。
それは混乱であって、何のためにもならない気がする。
ただ金銭感覚や世の中がそうさせただけ。
もうわかる。

今こそ本当の価値ってものを我々が決められるんではないか。
決めなくてはいけないんではないか。
わかる人同士で、小さな輪でもいい。
わかる人にはわかる。
それで十分じゃないか。
たとえ売れなくっても、応援してくれる人はいるはずだ。
味方がきっといるはずだ。
そういう人やものを信じれば、続けられるはずだ。
きっと本気で芸術に向き合っている人はわかるはずだ。
俺がしでかし続けている過ちもきっと無視出来る程に。

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